私は天使なんかじゃない








三つ巴





  この船には私たち、エイリアンども以外にも、いた。
  それは……。





  「誰が一体こんなことしやがったんだっ! クソッタレめっ!」
  吠える男がいる。
  ポールソンだ。
  誰もが表情を強張らせている。
  誰もが、それは私、ターコリエン、彼の部下2名、スクライブ・エンジェル、ソマー、Dr.サムソン、酔いで頭痛がしているMr.クラブ。サリーは私に抱き付いて現場を見ないようにしている。
  こんなもの見れないし見慣れない。
  血の海だ。
  私たちが冷却ラボから帰ってきた時にはこの有様だった。
  「それで、誰も見てないのよね?」
  誰に言うでもなく私は呟いた。
  血の海にあるもの。
  それはローズの死体。
  ほとんど会話もしたことがないから人となりは知らないけど、私やソマーと近い年代からさらわれた人で、リベットシティとかいうところの兵士だった人。
  その人が死んでいる。
  血の海の中に沈んでいるのだ。
  「悪いけど、私は工場の方に行ってたんだ」
  弁解するようにソマーが言った。
  別に疑ってない。
  こんな殺し方ありえないからだ。
  ローズの体は上半身が綺麗になくなっている。
  着ている服、今この場にいる仲間以外の人物と消去法から考えて、それがローズと推測したに過ぎない。
  「だよね、エンジェル?」
  「ええ。ソマーと一緒にいたわ。何か使える物がないかと思って。エンジンコアを探索している際はローズといたわ、でもその後は別れてソマーと行動してた。本当よ、嘘じゃない」
  「……俺はすまん、カウボーイと飲んだ後からずっと寝てた」
  「証明してくれる者はいないけど薬品室にいた、嘘じゃないよ」
  「やめましょう」
  私は宣言した。
  意味がない。
  意味が。
  たぶん人手が薄いのを見計らってエイリアンたちが攻めて来たんだろう。だけど分からないのは、Mr.クラブをどうして殺さなかったってことだ。無防備に寝てた、それもすぐ近くで。
  考えるだけ無駄?
  かもね。
  そもそもの思考が違うんだろう、考えるだけ無駄だ。
  「話を遮って悪いんだが、頭が痛いんだ。誰か悪いがその自販機というやつから何か飲み物くれないか?」
  「あ、ああ」
  お金を入れずともスイッチを押すだけで出る仕組み。
  エイリアンが改造したらしい。
  あいつらケチか?
  どうでもいいけど。

  ブー。ハズレ。

  ターコリエンがヌカ・コーラを取り出してMr.クラブに渡した。コーラしかないんだけどさ。ハズレとか自販機言ってるから当たり外れがあるのか、当たったら何貰えるんだろ。
  ありがとうよと言って彼はそれを飲みだす。
  その様を見ながら私は考える。
  どこから来たんだろ。
  少なくとも今までのエイリアンとは違う。
  上半身をもぎ取ってどこかにやるなんて芸当、エイリアンらしくない。いや実験では臓器引きずり出すぐらいの野蛮さだけど、戦闘でそんな殺し方するだろうか?
  何か違う気がする。
  らしくない。
  「サリー」
  「な、何?」
  「大丈夫よ」
  ナデナデ。
  頭を撫でてあげる。
  そりゃ怖いだろうさ、私だって怖い。でも私の方が年上だから元気付けなきゃ。
  「サリー、前に言ってくれた敵の種類以上のっている?」
  「いないと思うけど、何とも言えない。私が行ってないところにいるかもしれないけど……でも上層へ行ける、乗ると首筋がチクチクするエレベーターみたいなのはエイリアンたちがシステム
  切っているし、テレポートして来ようにもジャマーを展開しているから来れないと思う。どうやって来たか分からない」
  「私たちがいない間だけエレベーターを起動してたら?」
  「その場合は、可能だね」
  「そっか」
  私たちが甘かった。
  わざわざ回廊をシャットアウトしたから向こうか攻めて来るとは思ってなかった、少なくとも上層からは来ないと思ってた。
  甘かった。
  実に甘かった。
  「ターコリエン」
  「な、何だ」
  「あなたの部下はあなたが直接指揮して。その方が動き易いと思うし。回収してきた武器を持たせて、警戒してもらって」
  「わ、分かった。ダニエルズ軍曹、ベケット新兵、武器を取れ」
  『了解ですっ!』
  2人の新顔さんはアサルトライフルを手に取り、弾倉もいくつか手に取って周囲を警戒する。
  様になってるな、さすがは軍人さんだ。
  「ミスティ、このエリアを巡回するのか?」
  「ううん。敵が近くにいるかもしれないから、不意打ちに備えてくれるだけでいい」
  「分かった。聞こえたな、散開っ! だが拠点から離れ過ぎるなっ!」
  『了解ですっ!』
  うん。
  頼りになる。
  さて、ローズの件に戻ろう。
  「残ってた人たちは何か聞いた?」
  「まさか私らを疑っているわけ? 冗談じゃないよっ!」
  「ソマー、人間に出来るわけないでしょ、疑ってない」
  「……」
  「ただ、あなたたちはここにいた、何か聞いたかと思って。どんな化け物かは知らないけど、そんなのが来たらひとたまりもない。対処法を考えたいから、聞いているだけ。裏はないわ」
  考え込む一同。
  コーラを飲む音だけがしばらく続く。
  沈黙、か。
  つまりは見てないってことか。
  何も聞いてもいない。
  「悲鳴しか聞いてないわけか」
  完全にお手上げだ。
  「ねぇ、ソマー、これってスーパーミュータントじゃない?」
  「なーる。確かにあのデカブツもエイリアンどもが誘拐してきていて、船内を徘徊しているなら、分からないじゃないね」
  スーパーミュータント?
  あー、ボルト101で習った奴か。
  確か放射能で変異した化け物とか何とか。
  マジか。
  マジでそんなのがいるのか。
  「強いの?」
  「武器さえあればどうにでもなるよ。ローズは、油断したんだね、可哀想に」
  「そうね」
  対象が何であれ私たちは油断していた。
  勝ち続けていたから油断していたんだ、それは否定できない。
  「その何だかっていうのをぶっ殺しに行こうぜ」
  「落ち着いてポールソン」
  「大体あの侍どこ行きやがったっ!」
  荒れてるな。
  仕方ないか、仲間が死んだんだ。
  そういえば侍もフィーさんもしばらく見ていない。
  敵か?
  ……。
  ……ないない。
  少なくともフィーさんが敵なら私らは簡単にあの世行きになってる。
  私たちは仲間。
  疑わないことだ。
  個々の色々な個性や主張はエイリアンたちから自由になるという目的によって抑圧されているにしても、共通の敵がいる内は私たちはぶつかることなくやっていける。
  考え方が悲観的?
  そうは思わない。
  1つになるには時間が足りなさ過ぎる。
  私たちは分かり合って行動を共にしているわけではないということは理解できてる。
  あくまで共通の敵がいるからだ。
  それでも。
  それでも協力し合える。
  「バリケードを構築しましょう、明確な目的を立ててね。サリー、ジャマーの信頼性は?」
  「完璧だよ」
  「分かった。となれば上層と繋がるエレベーター……いや、厳密には転送装置か、ともかくエイリアンがスイッチを入れたらそこから敵が現れる、それを想定して防御陣を構築しましょう」
  「了解だ、保安官」
  「ソマー、エンジェル、それとMr.クラブ、もう少し武器を持って来て。いちいち貨物倉庫と往復を繰り返していたら危ないわ」
  「仕方ないね、言うことを聞いてあげる。こいつは貸しだよ。さあ行きましょう」
  「残った人たちでバリケードを強化しましょう」

  ブー。ハズレ。

  「ミスティ、喋り過ぎて喉渇くでしょ、コーラどうぞ」
  「ありがとうサリー」
  ごくごく。
  うまー、ですね。
  そういえばここに来てからトイレ行ってないな、全くトイレに行きたいと思わない。重力的な関係か?
  それとも宇宙船の何らかの作用か?
  まあいい。
  喉の渇きが潤っていく。



  2時間後。
  防御陣は完成した。転送装置から敵が来ることを想定し、その敵と交戦できるように構築しました。
  金属製のテーブルや箱、ベッド、自販機などで弾幕を防ぎ、鉄製の箱の上にミニガンを一基設置。これで簡易的ではあるけど銃座が完成。転送装置からどれだけの数がいきなり飛んでこれるかは
  分からないけど、現われた瞬間にハチの巣に出来る。銃火器、弾丸、食料、医療品、完璧です。一か月は戦い抜ける。
  途中からターコリエンたちアンカレッジ組を物資組と合流させたから運び込みがスムーズにできた。
  私たちはバリケード側に陣取って、待機。
  当然ながらハンガー、ロボット工場は物を高く積み上げて封鎖してある。
  突破出来ないほどではないけど、突破するまでに多少掛かるから、その間に備えれる。そもそもハンガーとロボット工場は完全に壊滅してるけどさ。
  「んー」
  私は少しの仮眠。
  疲れた。
  眠い。
  お腹も空いたけど……疲れが前面に出ているのでしばらく仮眠している。
  しばらくは皆こんな感じで待機だ。
  冷却ラボの攻略?
  後です。
  後。
  現状はローズを殺した相手を倒すことが先決だ。すぐ側にいないにしても、待機組がいるにはいたんだ、悲鳴が聞こえてすぐに駆け付けたけどローズは下半身だけになっていた、そんな芸当
  出来る奴を野放しには出来ない。悲鳴を上げたと同時に体を引き千切り、そしてそのまま逃亡した。
  仲間たちに姿さえ見せずに。
  無視できないな。
  倒す必要がある。そいつを優先的にね。

  ゆさゆさ。

  「ミスティ」
  「んー」
  「ミスティってば」
  「んー」

  ゆさゆさ。

  「起きてってばー」
  「……朝?」
  「朝かは知らないけどそろそろ起きなってばー」
  「分かった」
  不機嫌そうに聞こえないように答える。いや不機嫌そうに聞こえたかな?
  あんまり寝起きはいい方ではない。
  それに動き過ぎたから体が休息をまだまだ欲している、眠い。
  「保安官、おはよう」
  「おはよう」
  目を擦りながら私は10oサブマシンガンを手に取る。
  味方も交代で休憩を取ったらしい、私は交代してないですけど、全員幾分かは休息がとれたようだ。
  「ごめん、私だけ」
  「し、仕方ないさ、何だかんだで全部に参加しているんだから」
  「そう言ってくれると助かるわ、ターコリエン」
  防御は今までとは比べ物にならない。
  だけど敵は今のところいないようだ。
  そもそも襲撃があったならさすがに起こされてる。
  どういうことだ?
  向こうも警戒しているのか?
  「あんたも飯にしたらどうだい? ソルベリーステーキ、故郷の味だよ」
  「まだ食べたことない」
  「ああ、ボルトっ子だったっけね」
  「ええ」
  お腹空いた。
  考えてみたらボルト101脱出する前の晩に食べたっきりだ。
  敵も来ないようだし食事にしよう。

  「ニャニャニャっ! ニャーっ!」

  「カウボーイ、おいでなすったぜっ!」
  「皆殺しだっ!」
  転送装置からエイリアンが出現。
  一度に5体。
  Mr.クラブが骨董品に近いトミーガンを構えるよりも早く、新たに5体出現。つまり一気に10体になった。
  さらに5体増える。
  なるほど。
  敵は敵でこちらを蹴散らす為に編成をしていたってわけだ。そして分かること、やはりエイリアンの絶対数は思ったよりは少ないようだ。すぐに何故来なかった?
  あくまで予想だけどワーカータイプは被支配層で、兵士タイプがある程度は監視しなければ反乱するのかも?
  あり得る話だ。
  向こうは向こうでこちらに戦力を割けない理由があるのだろう。
  敵はさらに増える。
  だけど出現場所は想定済み。
  ミニガンを発射するのはダニエルズ軍曹、敵を瞬く間にミンチにしていく。
  私たちも各個に銃撃。
  戦士タイプではないけど、エンジェルもMr.サムソンも応戦している。
  私?
  撃ってますよ。
  当たらないけどなーっ!
  決定ですね、こりゃトラウマだ。当てるのが怖いみたいだ。だけどこれは克服せねばならん、パパを探すのに銃は必要だろうし、何より今いる間とは人間はないし、地球産ですらない。
  完全な侵略者だ。
  何とか倒せるようにならないとな。
  「転送装置に当てないでねっ!」
  サリーがパターカップのミニチュア玩具をお守り代わりに手にしつつ叫ぶ。
  今のところは私たちのターン。
  次々に出現するエイリアンどもも攻撃はしてくるけど、強固にしたバリケードを吹き飛ばすほどの威力はないようだ。
  ふぅん。
  エイリアン兵器も大したことないな。
  「こんのぉーっ!」

  バリバリバリ。

  10oマシンガンが火を噴くぜっ!
  圧倒的な弾丸っ!
  圧倒的なミス率っ!
  凄いぜさすが私だまったく当たらないぜっ!
  ……。
  ……駄目じゃん。
  役立たずは邪魔なので私は持ち場を離れ、弾丸を分配したり銃の装填を手伝ったりすることに専念する。
  その時、新手に気付く。
  冷却ラボだ。
  冷却ラボからエイリアンたちが出て来る。
  まずった。
  あそこはまだ攻略してなくて、今後潜る予定だったから閉鎖してなかった。そこからエイリアンが出て来る、後ろずさりで。
  はっ?
  後ろずさりで?
  「……何だ、あれ……」
  全員、一瞬攻撃する手を止める。
  エイリアンもだ。
  冷却ラボから押し出されるように出て来たエイリアンたちは私たちギャラリーの前でことごとく蹴散らされる。
  謎の化け物によって。
  えっ?
  何だ、あいつ。
  どうもあの化け物がエイリアンたちを押し出す形、にしているらしい。
  緑色の巨漢。
  全裸だ。
  かといって男かどうか謎だ。そもそもフォルムは人間ではあるけど、人間というジャンルではない。少なくとも生殖器は見当たらない。
  あれがスーパーミュータントか?
  そうかもしれない。
  体の端々にダークブルーのきれっぱしが付いている。
  服?
  服の残骸か何かか?
  あくまで推測だけどあれは冷凍されていたのかもしれない。それを冷却ラボの連中が解凍して、反逆されたってことか?
  あいつが腕を振るう、その瞬間にエイリアンの頭が飛ぶ。
  何だ?
  何してるんだ?

  「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」

  「喋った。……ソマー、エンジェル、あれが、スーパーミュータント?」
  ローズを殺したのはあいつか?
  だけどあいつは冷却ラボから出て来た。となると違うのか?
  「あ、あれは、私が知るタイプじゃないよ。亜種か何かかい、エンジェル?」
  「し、知らないわ。初めて見るタイプ」
  ふぅん。
  スーパーミュータントではないらしい。
  そうなるとあいつは何だ?
  あいつの咆哮と同時に戦闘は再開される。何者だかは知らないけどエイリアンと敵対しているのは確かだ。敵の敵は味方にはならなさそうだけど、この状況は利用できる。
  潰し合え、エイリアンと。
  お互いに敵と認定し合っているようでエイリアンは交戦中で攻撃し、大男は何だか分からない攻撃している。何だか分からん、腕を振るうと敵がバラバラになる。
  「軍人さんよ、あいつぶっ倒そうぜっ!」
  「と、当然、ポールソン。グレネードっ!」
  グレネードを投擲。

  カキーン。

  それを拳で弾き返す大男。
  グレネードはこちらに向かって……まずーいっ!
  「退避っ!」
  言われるまでもない、私が叫ぶと同時に皆一斉に逃げた。
  爆発。
  陣地が吹き飛んだ。
  その間にもエイリアンと大男は遊んでいる。
  ……。
  ……あー、いや……。
  エイリアンは一時退避し始めている。
  この状況を不利と察したらしい。
  大男はこちらに向かってゆっくりと歩いてくる。
  くそ。
  仲間たちはさっきの爆発で立ち直れていない。
  動けるのは私だけだ。
  ならば。
  「私が受け持つわっ!」
  「るあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」
  大男は叫ぶ。
  そして両腕を振るった。

  どくん。
  どくん。
  どくん。

  な、何だ、この感覚。
  ボルト101でも感じたあの感覚だ。
  全てがスローに。
  限りなく時がスローに。
  「これが、こいつの攻撃方法?」
  ああ、そういうことですか。
  指だ。
  あいつ腕を振るう際に指が伸びるんだ。
  現に今伸びている。
  10本の指が。
  鋭い爪を有した指が。
  それは分かった。
  うん。
  その件に関しては了承です。問題は何だってこいつはスローになっているんだ?
  心臓が脈打つ音が聞こえる。
  ボルト101でもそうだった。
  能力、と言うべきかは知らないけど、何らかの能力が発動していると解釈するべきか。だから全てが、仲間もエイリアンもこいつもスローになっているのか?
  私は時間を支配する女っ!キリ
  まあ、何でもいいさ。
  大切なのは私が攻撃に転じれるということ。私だけが、私の為の、私だけの攻撃の時間。
  「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
  10oサブマシンガンの弾丸を全て叩き込む。
  無駄なく。
  的確に。

  バリバリバリ。

  そして。
  そして時が動き出す。
  「くっ」
  頭痛がする。
  何なんだ、この力は。

  ブン。

  両手を振り下ろす音が聞こえる。
  大男が振り落とした音だ。
  だけど何も起こらない。
  私に向かって放たれた鋭い10本の鞭のような指は、私には届かない。届くはずがない。
  それらは全て床に転がっているのだから。
  10oサブマシンガンで撃ち抜いたったっ!
  大男は不思議そうに自分の両手をまじまじと見ている。
  どう殺す?
  こいつをどう……。
  「ミスティ避けてよーっ!」
  「えっ? うわっ!」
  ソマーがミサイルランチャーを構えている、というか撃ってるしっ!
  私は慌てて飛び退く。
  爆発音。
  正体不明の大男は木端微塵となった。
  ……。
  ……あれ?
  これはー、私の撃破というカウントにはならないわけで?
  ならないねー。
  何気に凄いぞ、これだけの乱戦で撃破なしだなんて。
  おおぅ。


  この後、エイリアンたちは戦意を失って四散した。
  もちろん逃がす道理はない。
  減らすに限る。
  私たちはこの戦いに勝利することが出来たのだ。そして冷却ラボに進撃、立て籠もっていた連中を一掃した。
  人類同盟軍の勝利ってわけだ。
  それにしてもあの化け物は何だったんだろう。
  謎ですね。
  謎。